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百合物件

エンジェルエンジェルエンジェル

エンジェル・エンジェル・エンジェル (新潮文庫)エンジェル・エンジェル・エンジェル (新潮文庫)
(2004/02)
梨木 香歩

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 最近、本棚の奥から発掘されました。
 あまり記憶にないですが、巣鴨かどこかの本屋さんでタタキにつられて買ったものだったはず。
 他にも沢山買った時のついでだったので、内容もあまりおぼえていなかったのですが、今回改めて読んでみました。非常に短いお話で、三十分もあれば終わってしまう内容です。

 誰かに「これは百合物なのか?」と問われると「違います」としか答えられません。
 しかし、私にとっては微妙な百合成分を感じる作品でした。

 このジャンルに対し、最近の萌え化した百合が嫌いな方もいれば、大好物な方もいるはずです。
 精神的なつながりを重要視される方もいれば、肉体的な艶やかさを求める方もいるはずです。
 一人一人で百合の定義は違いますよね。

 この小説では「戦前の女学校」が出てきます。
 ジャンルとしての「百合」という言葉は新しく、戦前は存在しない言葉なので、そのあたりを「百合」と呼ぶことに抵抗がある方もいらっしゃるかもしれませんね。

 ただ、男女七歳にして席を同じうせずといわれ、隔絶した世界で生きていた女の子達の間で生まれる「擬似恋愛」的な感情は非常に「百合」要素が高い気がします。
 そもそも吉屋先生の生きていた時代なので、そちらこそが本来の姿であり定義そのものなのかもしれません。
 エスなどという言葉が、百合に変わっただけなのかも。

 年頃の女性同士の間で、憧れと、嫉妬というものが強く発揮されるのは、相手を思っているからこそでしょう。少なくとも無関心ではいられないということですから。
 しかし、大半は思春期の一瞬で、その気持ちは霧散してしまいます。最初から何も無かったかのように綺麗さっぱりと。
 若さゆえのはつらつとした肉体に、跡形も残らない気持ち。

 やはり「百合」に一番似合う言葉は「儚さ」なのでしょうか。
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百合物件

ふたりとふたり

ふたりとふたり (IDコミックス 百合姫コミックス)ふたりとふたり (IDコミックス 百合姫コミックス)
(2010/09/18)
吉富 昭仁

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 実力派の作家さんの作品です。
 ある種の、レズビアンのコミュニティ形成をそのまま漫画にしたような内容ですね。

 同性愛的思考が強いです。お互いの気持ちを探って赤面するような百合部分はあまり期待しないほうがいいでしょう。
 「しまいずむ」のようなコメディ要素も薄いです。

 ただ、前半に若干百合的展開があるにはあるので、ミックスさせたような感じですね。とは言ってもバランス的には完全に前者のイメージが強いです。
 評価が人によって分かれそうです。少女セクトが苦手だった人には、なかなか厳しそうな気がします。

 濡れ場等も満載ですが、それ以上に人間関係に生々しい部分があり、商品化された「百合」漫画というジャンル専門の方には、受けはよくないかもしれません。
 絵柄からは想像できないほど「萌え要素」はないからです。

 このストーリーを見て「なんて軽薄で、無軌道な人達だろう」と感想を抱く方がいても、それは当然のことだと思います。
 ごく一部で、このような共同体があるのは事実です。ただし、考えているほどアンモラルではありません。また、心の繋がりを軽視していることもありません。
 特殊な生活をしているのか? と問われても普通であるとしか説明できません。
 セクシャルがどうであろうと、社会で基盤を持ち、働いて納税している人間であることは間違いないからです。

 マイノリティを自覚するという行為自体、当然ですが人によっては意味が違ってきます。
 心の研磨になりうる人もいるでしょうし、より一層刺々しくなる人もいるはずです。

 差別を許すな、と声高に叫ぶ人もいるでしょう。
 マイノリティ視点に誇りを持ち、ビアンのフリをしている女性を逆差別する人もいるでしょう。
 そんなことから全く離れて、飄々と生活をしている人もいるでしょう。

 それらは「生きる」ということに敏感だからこそ出てくる思考なのではないでしょうか。

 そういった世界を受け入れられるかどうかは、まさに個人によるとしか言いようがないですね。受け入れる人も、偏見を持ち区別してしまう人も、どちらとも間違いではないのでしょう。
 
 私は、そもそも是非自体が存在しないと思っておりますが。



 (※)あくまで極々一部にスポットを当てただけの話です。

 こちらの少女セクトの感想も参考にしてください。

百合物件

ひみつ。

ひみつ。 (まんがタイムKRコミックス つぼみシリーズ)ひみつ。 (まんがタイムKRコミックス つぼみシリーズ)
(2010/12/11)
大朋 めがね

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 おそらく「つぼみ」作品では、かなりの人気なのではないでしょうか。アマゾンでも在庫切れになっていました。つぼみは百合姫とは編集方針が異なり、潔よい感じでジリジリと人気を拡大している感じがしますね。

 第一印象は、とにかく「原稿が白い」「カケアミ」ということでしょうか。
 成年指定で書いていらした時は濡れ場中心なので、画面構成も表情もダイナミックでしたが、今作にはそういった部分はありません。状況に合わせて、モードを変化させたのかもしれないですね。

 言われている志村センセとの類似は、話しの内容や台詞回しには感じられませんでした。そんなに似てはいないのかなという感じです。
 雰囲気が似てしまった理由としては、以下の理由が考えられるかもしれません。

 擬音や、書き文字がない。
 コマのタチキリが少ない。
 カケアミが綺麗。
 デフォルメされた時の目。
 白コマのふきだし。

 くらいでしょうか・・・。話しの内容等ではなく、画面の構成に関する事柄が多いのかな。
 実は、他にもいろいろあるにはありますが、それは他の漫画全般としても言えることなので、指摘されることではないのかなと。個人的には別物ではないのか、と判断したいです。
 前述の通りそこまで似ているとは思いませんでした。
 最終的には作家さん側の意識の問題だと思うので、一読者にはわからない部分です。

 内容ですが、背中がむず痒くなる展開を意図的に排除している印象を抱きました。
 クライマックス部分の台詞の一部をモノローグにして、自己完結させていたり、感情の爆発を淡々とさせているイメージが強いです。
 読んでいて読者が「恥ずかしい」と思う要素を徹底的に削り倒しているのかもしれません。それが白い画面効果も相乗して雰囲気を高める要素になっている気がします。
 あとは成年誌の時よりもブラック加減が薄まり、本当に丁度良い部分に落ち着いているのも関係しているように見受けられました。
 本当に蛇足ですが、当時のような黒い話が中心だとここまで話題作にはならなかったと、あえて断定したいです。

 作品の人気が出る出ないというのは、非常に微妙な部分が集まって、結果に繋がると思います。
 話題に上る作品というのは、黙っていてもそうなります。
 絵柄やキャラクターで売れ筋を狙えると考える向きもありますし、またそういった編集方針を持つ担当の方が多いのも事実です。
 しかし、最終的には作品の中に存在する「何か理解できない怪物のようなもの」ものが左右するのでしょう。

 そういった面で見れば、この作家さんは「何かを持っている」んでしょうね。
 
 個人的には今後の楽しみが増えて嬉しいというところでしょうか。

百合物件

まんがの作り方 4巻

まんがの作り方 4 (リュウコミックス)まんがの作り方 4 (リュウコミックス)
(2010/12/13)
平尾 アウリ

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 この作品、所謂漫画的手法の「集中線」「フラッシュ」「効果音」「描き文字」がありません。登場人物が淡々と演技しているだけです。
 にも関わらず、物語は非常に軽快で、時として動きはダイナミックであったりします。
 それは、単純にキャラクターがオーバーアクションで書かれていたりするからなのですが、なによりも台詞のテンポが絶妙だからなのだと思いました。

 テンポが軽快でスラスラ読ませてしまうというのは、高橋留美子御大の同一のコマの中で右から左に目線を移した時に時間経過があるという手法が代表的ですが、この「漫画の作り方」ではそういった手法無しで、特徴的な目と、管理された台詞回しによって軽快さを確保しています。

 一見するとどれも差がないように見える「目」の書き方なのですが、今回は割合表情が動く森下さんが主軸ということもあって変化が顕著な気がします。
 驚くほど、決め細やかに表現されているんですよね。
 ニコニコしている森下さんが時折見せる、真面目な目というのはオーバーアクション以上に効果があると思います。

 また、今回は新キャラのガチな編集者さんが投入されていて、その企んでいる感まるだしの目も見所です。


 そして、もう一つ重要なのが「声の大きさ」をフォントのサイズで表現しているところです。
 微妙な差なのですが、これにより無音に近いはずの漫画の中でサウンドの高低が生まれ、それが読者の心理にアクションを生んでいるのが面白いですね。

 特に森下さんは「ああ、この人は声が大きいんだろうな」と思わせる表現が多々あります。
 所謂KYな声の大きさですね・・・。
 そういった部分がキャラクター表現に深みを与えているのが本当に凄いです。

 漫画でサウンドを表現するというのは、昔から多くの作家さんが取り組まれてきたことです。
 特に思い浮かぶのは「ジョジョの奇妙な冒険」だと思います。
 書き文字により、重苦しい雰囲気を出したと言われる「ゴゴゴゴゴゴ」は有名ではないでしょうか。

 この漫画では、作家さん側でどれくらい音声、サウンドをイメージしていたかは不明ではありますが、全く逆の方法論で想起させることに成功していますよね。

 台詞に関しては、もう才能としか言いようがないほど上手いと思いました。
 脚本っぽくもあるのですが、アメリカンホームドラマのような言葉の選び方だったりするのかもしれません。

 ここにシュールさがあるかどうかと言われると、私は結論は避けたいところではあるのですが・・・。
 シュールものが流行りすぎて、他と変化がなくなっている漫画が多かったりするので・・・。

 3巻の感想でも書きましたが、これひょっとすると「傑作」になるのでは・・・。なんて思ったりしながら読んでいます。
 とにかく、早く続きが読みたいと思わせるタイトルなのでした。

百合物件

まんがの作り方 3巻

まんがの作り方 3 (リュウコミックス)まんがの作り方 3 (リュウコミックス)
(2010/05/13)
平尾 アウリ

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 サバサバした性格っていうのは、こういう人のことを言うのかもしれない。と、思ってしまいました。
 竹を割ったような性格とも言ったりしますが、川口さんって様々なものを差し引いても、いろんな意味で得をするタイプの人間かもしれませんね。

 実は嫌味のないキャラクターというのは、ストーリー追ううえでは動かすことが難しく、扱いに困るんですよね。それを主人公に持ってくるとなると尚更です。

 ちょっと方向性は違いますが、健気で常に前向きな、普遍的王道主人公でも同じことが言えます。
 キャンディス・ホワイト・アードレーさんやフルーツバスケットの透さんは最たるもので、最後まであの形で引っ張れた作者の力量は驚異的なものだと思います。

 相手を憎まず、貶めず、清廉潔白な朗らかさを維持するのは困難を通り越しています。
 特に、透さんは慊人という直接的暴力に訴えてくる確固たる壁があるので、前向きな視点を維持するのは難しかったのではないでしょうか。

 まんがの作り方では、そのようなバイオレンスも壁も存在はしません。
 ふり幅が狭く、そこまでのものはないと言えるかもしれませんけれど。

 川口さんは時として臆面なく本音や弱さを前面に出します。そこに何も枷はないように思います。しかし、やはり扱い難いキャラクターなのではないでしょうか。
 本人の行動が、積み重なって枷になるタイプの難しさですね。
 彼女だったら「こう考える、こう動作する」という部分が、物語ので拡大で徐々に狭くなっていく気がします。
 真綿で首を絞められるというか・・・。
 
 ただ、台詞等の文才にあふれる作者の力量が、そういった点を非常に上手く管理されているようです。
 このまま進んでいってほしいと強く思います。
 奇跡的な、傑作になるかもしれませんね。
プロフィール

すみれ

Author:すみれ
 百合漫画、百合要素のあるものを紹介するブログ。それ以外のものも若干あります。

 評論、レビューではありません。とりとめのない話です。

 アフィリエイト等のクリック数を稼ごうとするサイトではありません。

 あくまで個人的な感想であり、他に異を唱えるものではありません。

 紹介作品は新旧まざっています。探したい作品があれば「全ての記事を表示する」を使ってください。

 ものによっては大幅なネタバレがあります。

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