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乙ひより

水色シネマ オレンジイエロー

水色シネマ (IDコミックス 百合姫コミックス)水色シネマ (IDコミックス 百合姫コミックス)
(2010/05/18)
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オレンジイエロー (IDコミックス 百合姫コミックス)オレンジイエロー (IDコミックス 百合姫コミックス)
(2010/05/18)
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 この「水色シネマ」「オレンジイエロー」は、二冊同時に刊行された作品でした。
 水色シネマは長編で、オレンジイエローは短編集です。
 装丁が凝っていたり、帯についている応募券を小冊子に引き換えできたりと、編集部の期待も大きかった感じですね。
 
 以前「かわいいあなた」「クローバー」の紹介で書いたとおり、爽やかでアッサリとした作風は健在です。
 天然系のキャラクターを書くのが上手く、考え方がまとまっていて、自己解決する能力を持った登場人物が多いからなのでしょう。
 両作品ともに、その天然系のキャラクターが柱になっており、物語の中心ともいえます。

 実は、無欲で、朗らかで、優しいキャラクターというのは非常に危険で、読者の反感を買う可能性もないとはいえません。
 ポリアンナの「よかった探し」を揶揄して、ポリアンナ症候群という言葉が作られましたが、最たるものでしょう。
 徹頭徹尾聖人君子だと「そんなわけないじゃない」という気持ちを抱かせるのは当然ですから。
 そう思わせた時点で、作品としては終わってしまいます。
 共感を得られない作品になれば、読者は続きを読まないでしょう。

 その点、この作者は何故か不思議な説得力を持っている気がしました。
 藤野みゆきさんにしても、多恵ちゃんにしても「計算してないな・・・」と思わせる何かがあるのです。
 きっと絵柄や、手で演技させる独特の表現等、様々な要素が幾重にも折り重なって、それらが作られているのでしょうね。

 特に、顔の表情よりも腕の動きが顕著である場合、特徴を誇張させる効果があるので、それによりキャラクターの持つ天然という部分がクローズアップされている可能性があります。

 なにより、アッサリとした作風からは考えられないほど、作者はキャラクターの持ちうる束縛に敏感なのだと思います。
 このキャラクターは「こういう行動をしない、台詞を言わない」という選別が上手いのでしょう。

 天然系キャラクターに説得力を持たせる、それこそがこの作者の最大の魅力だと思います。

 こういった作風で続けられるかはわかりませんが、今後も楽しみにしていたいですね。
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乙ひより

かわいいあなた クローバー

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 ついつい登場人物を応援したくなってしまった、ということは「読者を味方につけた」ということであり、すなわち感情移入させたということになります。
 受け取り手に、共感意識を持たせるということは、漫画や音楽、映画の中では、非常に大切な部分を占めています。
 ただ、ジャンルの中にはモードという物があり、各々で目的が全く違ってくるので、何が正解であるかは、まさしく個人の好みに委ねられるわけです。

 例えば、音楽は非常に細分化が進んでおり、目的意識を読み取りやすい媒体と言えるかもしれません。

 音楽の中に演奏力というファクターがありますが、その面だけでも、おおまかに分けて表現力を重視した場合と、訓練されたテクニックだけを聞かせるものに分けられます。
 個人の味、表現力という曖昧なものと、反復という積み重ねにより得られた尊い技術、という感じですね。
 滅茶苦茶な演奏でも、その味を好む人がいるでしょうし、機械的で面白みのない演奏でも、その裏にある努力を読み取って感動する人もいるかもしれません。
 どちらに共感するのかは、受け取り手の自由です。

 以前の音楽の世界では、ケルト地方の民族音楽しかやらないとか、古典的なリフレインを持つハードロックしかやらないとか、目的意識がハッキリしていたんですよね。
 つまり、各々で特化されている場合が普通だったので、好みを見つけると、まるで自分の人生の一部かのように深く共感する人が出易かったのです。

 ただ、現在一般的に聞かれている音楽はあくまで商品であり、メーカーが利益追求の為に販売しているだけにすぎません。企業を運営していく利潤を得る道具でしかないのです。
 それは、電子レンジやテレビなどの家電製品と全く同じ扱いなのです。ですから、流行性と大衆性等という作品根本に関わる問題以前に、量産できるか? コストを出来るだけ抑えられるか? 等の部分がより重要視されるわけです。
 最近の音楽がつまらないと言う意見が多いのは、それが進みすぎた為に企業側が安全パイを求めすぎ、同じようなパターンのものが乱造された結果です。沢山売る為に一つの音源の中に、バラードもあれば、元気の出る応援ソングもあり、ダンスナンバーも詰め込まれている。
 ごった煮が進みすぎれば、それは似たり寄ったりのファストフードでしかありません。

 つまり、特化された部分が無いんですね。

 一つのジャンルが流行ると、同じ作風を乱造する。クオリティが著しく高いはずの、メジャーの音源がつまらない理由はそこにあると言えるかもしれません。
 品質が高くても、同じようなものが続けば人間は飽きてしまう生物です。いくら素晴らしいものでも、何を追及しているのか目的を理解できなければ、共感は得られないものですから。

 その点、インディミュージックは、そもそも売ることを目的としていないので、下手で稚拙な場合でも特化されていることが多く、深くのめりこんでしまう方が出てくるのかもしれません。

 この方の書く物語は非常に爽やかで、アッサリとしていますが、逆にそこに独自性を感じます。
 あえて誤解を招く言い方をすれば、まるで同人作家のような作風なのです。

 集金の為に製作された道具ではなく、作者の愛情が登場人物に乗り移っているような気がしてしまうんですよね。
 恐らく、細かな仕草や丁寧な感情表現による効果なのでしょう。
 そういった、拘りの姿勢は「百合」というジャンルと相性が良いのかもしれませんね。
 
 この方の書く物語が本当に好きでたまりません。それは、私の好みだからなのでしょう。
プロフィール

すみれ

Author:すみれ
 百合漫画、百合要素のあるものを紹介するブログ。それ以外のものも若干あります。

 評論、レビューではありません。とりとめのない話です。

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 あくまで個人的な感想であり、他に異を唱えるものではありません。

 紹介作品は新旧まざっています。探したい作品があれば「全ての記事を表示する」を使ってください。

 ものによっては大幅なネタバレがあります。

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