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マリア様がみてる

マリア様がみてる―私の巣

マリア様がみてる―私の巣(マイネスト) (コバルト文庫)マリア様がみてる―私の巣(マイネスト) (コバルト文庫)
(2009/12/25)
今野 緒雪

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 この作品について書くにあたり、外伝的な話を最初に取り上げるタイトルとするのは「どうなのかな?」と思いましたが、現時点での最新刊ということで紹介させていただきます。
 とはいえ、ここを読まれる方の殆どが、この物語がどのような変遷を辿ったのかご存知だと思います。ですので、そのあたりは全て割愛させていただきます。

 既に作品の中で一つの大団円を向かえてしまってはいますが、設定などを含めてまだまだ魅力的なのは間違いありません。
 それは、百合という世界での話しではなく、キャラクターやリリアン女学園という存在そのものに魅力を感じている可能性が大きいと思います。
 現に初期から十年以上もファンを続けている方々は、百合という狭い枠ではとらえていないはずです。
 私の憶えている範囲では、初期からのファンは早い人で「いとしき歳月」で既にそっぽを向いてしまっていました。レイニー、パラソルまでも行っていません。
 百合というものだけを求めた人は、作者の「それだけではない」という「明言」で離れてしまったのです。

 百合物のトレンドセッターと認定され人気が爆発するのは、その後の話になります。しかし、皮肉なことに人気が爆発した時には、流行に関係なく以前から存在していた「純粋な百合ファン」は去ってしまった後だったのです。
 メディア露出や、アニメ化でこの作品を知った方々には信じられないかもしれませんが、最初のトレンドキラーまでの時間がかなり早い段階に起こったことは間違いありません。

 12巻あたりから、一般のメディアでも紹介されるほど人気が非常に盛り上がっていましたが、ご存知の通り内容としては下り坂に入っていました。初期の頃からネットでファンサイトを立ち上げていたコアなファンも、大抵がこのあたりでサイトを休止しています。二次創作の世界でも、極初期にウェブリングなどを立ち上げていた大手サイトは、この時期に撤退しています。
 (常に新しいサイトが出来ていたので、減ったという感覚は全くありませんでしたけれど、ここでは極初期にファンサイトを始めていた同人作家さん達を指します)
 一番盛り上がった時期に、原作が下り坂になっていたというのも、面白い部分ですね。
 その後、瞳子の姉妹問題あたりで内容的には盛り上がるのですが、その頃になると大半の人が去っていたと思います。これは全体の売り上げを見れば一目瞭然です。

 この作品が語られる時「集英社が引き伸ばしにかかった」という部分が、特にクローズアップされます。
 その為にダメになってしまったのだ、と。
 しかし、この作品においては、当然ながら「編集部の意向」もありますが、何よりも「作者の意思」により、このような形になったのではないでしょうか。
 緩やかな進行になったのは、作者の「なんでもない高校生の青春像」を書きたいという確固たる意思の元で進められたのだと思います。
 それは百合という狭い世界の話ではなく、人間としての成長そのものを書こうとしたからでしょう。

 途中から、祐巳と祥子が昔を懐かしむ場面が多くなっていきます。
 それは「遠いところまで来てしまった」という台詞に集約されていますね。数回出てくるフレーズなのですが、ここぞという場面で使用されています。

 これは、作者自身の気持ちがストレートに出ている名台詞だと思います。

 自分の実体験からくるもの・・・。女子高に通い、大学へと進んだ時代を懐かしむ気持ち。若さに満ち溢れ、経験したことの無い事柄に期待し、恐れを抱いていた年齢・・・。
 それは、二度と手に入れられない尊いものです。
 そういった時期を懐かしむ気持ちが強くなるのは、作者の実年齢を考えれば当然のことでしょう。

 また、10年以上も書き続けてきたシリーズであり、登場人物達と一緒に育ってきた、生きてきた、という実感。執筆において苦しい時期も、喜びも、全てを分かち合ってきた戦友ともいえる存在・・・。向かえる一つの結末・・・。感傷的にならない人間はいません。

 きっと物語の途中から「いつかはゴールに辿りついてしまう」という気持ちが強くなってしまったのでしょう。
 そんな中で、作者は出来るだけ長く「この子達と一緒にいたい」という思いを抱いたに違いありません。

 私は「マリア様がみてる」は「作者が自ら生み出したキャラクターを愛しすぎた」作品だと思っています。
 愛おしみ、慈しみ、母親ののような愛情で、彼女達を見守っていた。
 それにつきます。

 前述したとおり、現時点でこの物語を読んでいる方々は、同じようにこの物語の世界を、登場人物達を愛しているのではないでしょうか。
 百合、という部分だけで捉えてはいないはずです。心の中で、もっと特別な形に変化しているはずです。

 この「私の巣」にも、世界の一端が息衝いていると思います。
 これからも、リリアン女学園の世界を楽しんでいきましょう。
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百合物件

スケバン刑事if

スケバン刑事if (MFコミックス)スケバン刑事if (MFコミックス)
(2004/06/23)
和田 慎二

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 百合展開・・・。血で血を争った二人の百合展開・・・。
 和田御大の暴走だったのか、それとも・・・。

 この物語は、スケバン刑事を読んだ人にしか理解できないカタルシスに彩られていますね。
 登場人物名は、麻宮サキが天宮佑希、海槌麗巳が氷室麗華に変更されてはいるのですが(この名前のセンスも和田御大らしい・・・)けれど、結局のところはサキと麗巳の物語でしかありません。

 戦いの中で強さを見せるサキと、悪の華ともいうべき麗巳、二人に共通するのは孤高であるということにつきます。正反対の二人ではありますが、各々の道で極限の美しさを放っているのは間違いありません。

 そんな二人が交わることがないのは当然のことでしょう。水と油どころか、液体と個体くらい離れています。それを描いたのが名作と呼ばれた第一部だったのです。


 麗巳は言います「サキ あたしはあんたを待っていたのかもしれない。あたしは今人生に感謝している。一生に一度会うことがあるかどうかという敵にめぐり合わせてくれた人生に…」


 第一部でサキと戦った麗巳を見ている人には、最終決戦で至った気持ちがわかるはずです。
 打ちのめされてしまったが故に、サキの中の美しさを認めそうな自分。しかし、悪は悪として貫き通すという心構え。何よりも自分が「麗巳」という存在であるという強靭な自負心。

 それを知ったうえで、Ifを読むと「殺したいけれど、それでもなおサキという存在が好きになっていた」という気持ちがより大きく感じられるはずです。
 何十年も経って、ようやく麗巳の思いが遂げられたような気がしてしまいます。

 やはり、美しいお姉さまには美しい人が似合うものです。
 それに、案外と相性はいいのかもしれません。二人とも一芸に秀でている人間なので、何かを感じあってもおかしくないと思います。また、何よりもお互いに心を許せる人物がいないという共通点もありますしね。
 実際、二人のやりとりをみていても、尊重しあっていてかなり良いコンビに見えました。

 ※

 なぜ、和田御大は危険を冒してこの作品を書いたのか? まさに読者の気持ちそのものを代弁するように後書きに記しています。

 「もう一度サキと麗巳に会いたかっただけなのかもしれない」

 本当にそんな感じですね。誰よりも作者自身がキャラクターを愛しすぎてしまっているのでしょう。

 私は、それに是非を求めたくはありません。
 キャラクターの生殺与奪の権利は、生み出した者こそが持っているのですから。

袴田 めら

わたしの大切なともだち

わたしの大切なともだち2(アクションコミックス)わたしの大切なともだち2(アクションコミックス)
(2009/12/12)
袴田 めら

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わたしの大切なともだち 1 (アクションコミックス)わたしの大切なともだち 1 (アクションコミックス)
(2009/05/12)
袴田 めら

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 2010年1月現在で2巻まで刊行。続刊。

 二巻に入ってから、かなり百合っぽい展開が見られるようになってきました。
 友情属性のほうが強い展開ではありますが・・・。タイトルからして「ともだち」ですから。
 特にエビさんが橘さんに抱く思いからして、友情という側面から考えたほうが納得できる部分が多いですしね。

 恐らくなのですが、どちらかというと記憶を無くす以前の橘さんのほうが特別な感情を抱いていたフシがあります。そして、エビさん以上に傷ついていた可能性があります。八方美人気質の自業自得な結果なんですけれど。

 大切な思いを取り返そうとしていた橘さん。
 彼女の、記憶を失ったから出来てしまう計算の無い行動には、共感を覚えるかもしれません。
 本能に根ざした行動は、どのような結論を見せるのか・・・。

 記憶喪失ネタでの最大の山場は、やはり記憶が戻った時の「喪失時の人格」の扱いにつきます。
 以前の記憶が戻ったと同時に「喪失時の人格」が消えてしまうパターンは例外なく切ないラストをむかえるものが多いですよね。
 これは一人の人間の中に別人格を存在させる為に最も使いやすいプロットであるのか、よく見られるパターンではあるのですが、故にラストに対する期待感が膨らむものでもあると感じます。

 前作の「暁色の潜伏魔女」では、三巻に入ってから設定や複線を生かせぬまま唐突に終わってしまいましたが、今回は大丈夫な予感がします。
 楽しみですね。

 そうえば、この物語には、袴田作品には恒例の「性格の破綻したキャラクター」が出てきていないですね。
 そういう意味でもかなり読みやすくなっていると思います。

百合物件

百合心中~猫目堂ココロ譚

百合心中~猫目堂ココロ譚 (IDコミックス 百合姫コミックス)百合心中~猫目堂ココロ譚 (IDコミックス 百合姫コミックス)
(2009/07/18)
東雲 水生

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 ゆっくりと慎重に進んでいった「初恋姉妹」から一転して、とにかく展開にメリハリがあります。
 AメロからBメロを挟んでサビに行くなどという間怠っこい展開はありません。とにかくいきなり大盛り上がりのサビに突入していく感じです。また、物によってはコーラス(サビ)から曲が開始というパターンもあります。
 短編ということもありますが、とにかくクライマックスへの持って行き方が凄まじいの一言です。
 完結するまでに「一度は感情の爆発がある」「一度は不仲になる」「第一印象は最悪」などのギミックがこれでもかと繰り返されるのです。

 百合ジャンルの中には危険なパターンが幾つか存在します。
 その一つに、心情を細かく表現することにに拘りすぎて、外堀を埋めることに必死になりすぎた挙句、クライマックスが全く来ないというものがあります。
 全体像を求めすぎて印象が薄くなってしまうんですね。モノローグを多用してしまう作品に多く見られがちな欠点かもしれません。

 その点、この作品は毎回の見せ場を必ず作っていますので、物語が躍動している印象を強く受けるのかもしれません。
 そう、まるで往年の「大映ドラマ」のような色合いを持っているとでも言えばいいのでしょうか・・・。

 事件を前提として人物が書かれて、その事件に合わせて登場人物を配置しているのかもしれません。
 だとすれば、キャラクター第一で製作が進む昨今の事情とは全く違った感じを受けるのも頷けます。

 百合ジャンルの中で、こうしたアクロバチックな展開を書ける人は、実はなかなか少ないように思います。

 懐の深い作家さんなのでしょう。
 更にいろいろなパターンで物語を製作してくれそうです。
 後書きに、いろいろ挑戦したいと書かれていましたので、これからも楽しみですね。
プロフィール

すみれ

Author:すみれ
 百合漫画、百合要素のあるものを紹介するブログ。それ以外のものも若干あります。

 評論、レビューではありません。とりとめのない話です。

 アフィリエイト等のクリック数を稼ごうとするサイトではありません。

 あくまで個人的な感想であり、他に異を唱えるものではありません。

 紹介作品は新旧まざっています。探したい作品があれば「全ての記事を表示する」を使ってください。

 ものによっては大幅なネタバレがあります。

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