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志村貴子

放浪息子 10巻

2010年3月現在で10巻まで刊行。続刊。

放浪息子(10) (ビームコミックス)放浪息子(10) (ビームコミックス)
(2010/03/25)
志村 貴子

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 ※この作品は「百合」とは何の関係もありません。志村貴子ということで取り上げました。

 特にクローズアップされたのはニ鳥君の身体的な成長でしょう。
 とうとう、姉を身長で抜いてしまいました。この描写は絶対にくると思っていた方、多いのではないでしょうか。これは、小学生だった彼を見ている側としては、様々なものが去来する出来事です。
 かなり急激に伸びている感じで、あんなちゃんよりも大きくなってますね。

 登場人物の表情が、どんどん変わっていっているのも効果的に作用しています。絵柄が変化したこともありますが、確実に成長しているのは間違いありません。
 後半のニ鳥君の顔は、カワイイ以外にもハンサム(男性的に)だという成分があった気がします。

 こんな表現が出来るなんて・・・。しつこいですがこの作者は凄まじいの一言ですね。

 そして、声変わり。
 大きく声変わりしていくのは当然の変化であり、人間である以上は避けられません。ホルモン治療をして、さらに身体にメスを入れた場合でも声を変えることはできませんからね。

 彼のセクシャルがどこに向かうのか、ここが大きな山場となるのではないでしょうか。

 実は、ニ鳥君のセクシャルを作者が意図的に「これだ」という枠にはめて明言したことはありません。
 つまり、単純にトランスセクシャルであるとかトランスジェンダーというような存在ではない可能性もあるということです。

 物理的に身体が男性であるが、女性としての精神を持ち、女性の姿になり、かつ恋愛対象は女性(身体的にも女性)というパターンは少なくありません。
 彼が男性に魅了される描写は今のところ見られないので、恋愛対象はあくまでも女性なのでしょう。
 自分を女性と認識していて、尚セックスの対象が女性であるというのは、狭義ではレズビアンということになりますが、この場合は当てはまることはないでしょう。

 今のところ「決定的な描写」は避けて表現されているので、このまま明文化されずに進んでいくことになるのかもしれませんが・・・。
 案外、普通に成長して「しーちゃん」のような感じになる方向も考えておかないといけないかもしれませんね。

 ユキさんの台詞「話半分に聞いて~」というのは、身体を全て変化させた者だけが言える一言だった気がします。
 最後まで進むのは並大抵のことではありませんから。性転換手術は生命の危険をもともないます。誰よりもそのことを知っているユキさんならではの表現なのでしょうね。

 この巻ではニ鳥君の成長以外では、とにかく誰かが誰かを好きという部分が大きく動いています。
 マコちゃんがニ鳥君を好きというのはなんとなくわかりますが、土居君がニ鳥君を好きそうなのは・・・。
 退場したと思われた、あんなちゃんがさらに登場するとは思いませんでしたし・・・。
 前巻に引き続き、主人公が主人公らしい仕事をしている内容でしたね。

 よしのさんのことも気になりますが・・・。

 とにかく、この作品は一人でも多くの方々に読んでいただきたいと思っています。
 青い花で志村作品に触れた方にも絶対オススメできます。この作者の表現力が凄まじいレベルにあることを実感できるでしょう。
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百合物件

リリイの籠

リリイの籠リリイの籠
(2007/12/14)
豊島 ミホ

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 短編集ですが舞台に関連性があり、トータルでも読める内容です。

 女子高出身者が語る女子高をそのまま描いたような感じですね。世にはびこる男性向け萌え百合をバッサリと切り捨てる切り口とでも言うのでしょうか。作者側は余裕を持って書いている印象なので、そもそもそのような形態は相手にすらしていないでしょうけれど。

 本来異性愛者の女の子達であるけれど、高校生という時期の、友情とは違う対象に持ちうる執着のようなものが、サラリとした文章で書かれていますね。
 読後に感じたのですが、この軽く流れる文体というのが実は非常に重要だったのかもしれません。

 なぜなら、全編を通してネガティブ思考であふれているからです。

 作者の高校時代が暗いものだったのかは知る由もありませんし、読者としては全く興味もありませんが、とにかくネガティブな面が強調されていまます。

 コミュニティーを形成し排他的行動に出る心理。
 活動的、消極的から見るありきたりな優越感、劣等感。
 容姿に対する若さ故の執着心。
 事象の成否に対し二者択一を迫る焦燥感。

 これらは学生時代だけに起こることではないのですが、若さを扱ううえではわかりやすいアイコンになりがちです。だからなのか、それらが殊更強調されて表現されていますね。

 あれだけ強調されても読み続けられたのは、文体が軽く、アッサリしていたからでしょう。
 そうでなければ、ゴールに到達することは出来なかったかもしれません。かなり短いお話であるにも関わらずです。

 今からしてみると、そこまで酷かったかな? なんて考えこんでしまいました。こんなに暗い考えばかりを持って過ごしていたかな? と。
 もう少し明るく朗らかな部分があったような気がしないでもないかなぁと・・・。

 容姿に自信を持つ人間に対する、そうではない人間の奇妙な友情関係。
 他人に必要とされたい実感を得たいが為に、消極的な人間を選んでしまうというエピソード。
 ありがちではあるのですが・・・。

 幸福な話よりも、多少暗い部分を書いたほうが真実っぽさが出るという考えがあるのはわかります。そちらのほうが余程簡単な表現ですから。
 「どうせ、穿っているのでしょう?」という思いを抱えて生活しているのは事実ですしね。

 それだけ説得力を持たせたうえでハッピーエンドにするのは非常に困難なことなのです。読者を誤魔化すことは絶対にできませんから。

 あまり百合という部分を意識する面もありませんし、意図的に表層をギリギリで避けるような見事な筆力なので、商品化された百合を期待するひとにはお勧めはできませんね。
 かといって、文学好きが喜ぶような内容でもありませんし・・・。
 読者層がどのあたりなのか気になるところではあります。
 この作者はかなり若い方なので、マーケティングまでは考えていない可能性のほうが高いですが。

 若さ故の自負心に彩られた文章。といったところでしょうか・・・。お見事です。

志村貴子

放浪息子アニメ化

 放浪息子までもがアニメ化だそうです。
 志村センセは完全な売れっ子になりましたね。

志村貴子

青い花 5巻

2010年2月現在で5巻まで刊行。続刊。

青い花 5巻 (F×COMICS)青い花 5巻 (F×COMICS)
(2010/02/18)
志村貴子

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 ~私の好きは、そういうことをする好きなの・・・。

 これはいうまでもなく決定的な台詞ですが、予想通りこの先は微妙な空気が待っていましたね。ここへきて「あーちゃん」というキャラクターの難しさが浮き彫りになっている気がします。
 この関係を進めることによって「あーちゃん」が変化してしまうことが一番怖いというのは、まさに実際に触れ合った後に待っている事柄を指しますからね。
 普通の感覚であれば、幼ければ「あーちゃん」のように興味よりも恐れが勝つとは思います。けれど、欲望というものはそれを軽く凌駕してしまうものです。
 しかし、あーちゃんに、若さゆえの泥臭さを与え難いのはキャラクターの性格上、仕方がないことなのかもしれません。作者語るところの「本当に良い娘さんで・・・」という部分が枷に働いている例ですね。

 どちらかというと「ふみちゃん」のほうはもっと悲惨な状態に陥っていて「かわいい」と言っただけで、変な意味はないのだと慌てて否定しなければ行けない状況にまで追い込まれてしまっています。
 この巻では、後半に「諦め」に近い無表情が多くなっていますが、本来ダイナミックに顔の表情で演技させる志村作品の中で、その無表情こそが「最高の演技」になっているというのが、ふみちゃんの辛さを際立たせているような気がします。

 放浪息子9巻では、主人公がオカマのユキさんと話す場面が差し替えられていました。
 本誌では涙を流していたのですが、単行本では無表情となっています。
 この「無表情」というのは、本当の辛さを表現しているのだと思います。

 ※※
 
 涙には「悲しい涙」以外の涙が沢山ありますが。
 その中に「辛さの涙」があります。

 特別なことではなく、ある程度年齢を重ねた者であれば、誰でも経験していることでしょう。

 本当に辛い時には、声などあげませんし、顔を崩して表情を変えることもありません。誰かに何かを訴えるようなこともありません。
 気付く間もなく、突然頬を涙が落ちていくだけです。一粒、二粒と。

 心身ともに磨耗してしまった状態では、声を上げて泣くことすらできないからです。
 自分の力ではどうにもならないと悟った、諦めの境地。そんなときに、心の底から突然と滲み出す・・・。

 自分では泣いているという意識すらないでしょう。

 ※※

 今回は濃密でありながらも、終わってみればアッサリとしていると感じる内容かもしれませんね。
 コマにしても絵にしても、一気に一息に書き上げた状態が続いていて、丁寧な説明は全く省かれている感じです。

 個人的には「ふみちゃん」が完全に諦めてしまうのが怖くて仕方がありませんね。
 一応、二人のハッピーエンドというラストになるとは聞いていますが、作者の心変わりもありえるので、恐ろしいです。
 二人のハッピーエンドとは「別離」だったとか・・・。
 そういうふうに進む可能性がゼロではないので・・・。

 とりあえずは、あーちゃん側の成長を待ちたいな、ふみちゃんにこれ以上辛い思いをしてほしくないな、と思わせる内容でした。


 ※※


 巻末では、母親が登場・・・。さすがにあの四人のボスって感じがします。
 次は、公理さんの話が読みたいかも。。。(和佐さんの学生時代はあまり面白くなさそうだし・・・スミマセン

 ちなみに姿子さんが冒頭登場しますが、やはり只者ではない人ですね。
 あの台詞は、ちょっと周囲には辛すぎると思います。
プロフィール

すみれ

Author:すみれ
 百合漫画、百合要素のあるものを紹介するブログ。それ以外のものも若干あります。

 評論、レビューではありません。とりとめのない話です。

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 あくまで個人的な感想であり、他に異を唱えるものではありません。

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 ものによっては大幅なネタバレがあります。

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