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百合物件

ひみつ。

ひみつ。 (まんがタイムKRコミックス つぼみシリーズ)ひみつ。 (まんがタイムKRコミックス つぼみシリーズ)
(2010/12/11)
大朋 めがね

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 おそらく「つぼみ」作品では、かなりの人気なのではないでしょうか。アマゾンでも在庫切れになっていました。つぼみは百合姫とは編集方針が異なり、潔よい感じでジリジリと人気を拡大している感じがしますね。

 第一印象は、とにかく「原稿が白い」「カケアミ」ということでしょうか。
 成年指定で書いていらした時は濡れ場中心なので、画面構成も表情もダイナミックでしたが、今作にはそういった部分はありません。状況に合わせて、モードを変化させたのかもしれないですね。

 言われている志村センセとの類似は、話しの内容や台詞回しには感じられませんでした。そんなに似てはいないのかなという感じです。
 雰囲気が似てしまった理由としては、以下の理由が考えられるかもしれません。

 擬音や、書き文字がない。
 コマのタチキリが少ない。
 カケアミが綺麗。
 デフォルメされた時の目。
 白コマのふきだし。

 くらいでしょうか・・・。話しの内容等ではなく、画面の構成に関する事柄が多いのかな。
 実は、他にもいろいろあるにはありますが、それは他の漫画全般としても言えることなので、指摘されることではないのかなと。個人的には別物ではないのか、と判断したいです。
 前述の通りそこまで似ているとは思いませんでした。
 最終的には作家さん側の意識の問題だと思うので、一読者にはわからない部分です。

 内容ですが、背中がむず痒くなる展開を意図的に排除している印象を抱きました。
 クライマックス部分の台詞の一部をモノローグにして、自己完結させていたり、感情の爆発を淡々とさせているイメージが強いです。
 読んでいて読者が「恥ずかしい」と思う要素を徹底的に削り倒しているのかもしれません。それが白い画面効果も相乗して雰囲気を高める要素になっている気がします。
 あとは成年誌の時よりもブラック加減が薄まり、本当に丁度良い部分に落ち着いているのも関係しているように見受けられました。
 本当に蛇足ですが、当時のような黒い話が中心だとここまで話題作にはならなかったと、あえて断定したいです。

 作品の人気が出る出ないというのは、非常に微妙な部分が集まって、結果に繋がると思います。
 話題に上る作品というのは、黙っていてもそうなります。
 絵柄やキャラクターで売れ筋を狙えると考える向きもありますし、またそういった編集方針を持つ担当の方が多いのも事実です。
 しかし、最終的には作品の中に存在する「何か理解できない怪物のようなもの」ものが左右するのでしょう。

 そういった面で見れば、この作家さんは「何かを持っている」んでしょうね。
 
 個人的には今後の楽しみが増えて嬉しいというところでしょうか。
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百合物件

まんがの作り方 4巻

まんがの作り方 4 (リュウコミックス)まんがの作り方 4 (リュウコミックス)
(2010/12/13)
平尾 アウリ

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 この作品、所謂漫画的手法の「集中線」「フラッシュ」「効果音」「描き文字」がありません。登場人物が淡々と演技しているだけです。
 にも関わらず、物語は非常に軽快で、時として動きはダイナミックであったりします。
 それは、単純にキャラクターがオーバーアクションで書かれていたりするからなのですが、なによりも台詞のテンポが絶妙だからなのだと思いました。

 テンポが軽快でスラスラ読ませてしまうというのは、高橋留美子御大の同一のコマの中で右から左に目線を移した時に時間経過があるという手法が代表的ですが、この「漫画の作り方」ではそういった手法無しで、特徴的な目と、管理された台詞回しによって軽快さを確保しています。

 一見するとどれも差がないように見える「目」の書き方なのですが、今回は割合表情が動く森下さんが主軸ということもあって変化が顕著な気がします。
 驚くほど、決め細やかに表現されているんですよね。
 ニコニコしている森下さんが時折見せる、真面目な目というのはオーバーアクション以上に効果があると思います。

 また、今回は新キャラのガチな編集者さんが投入されていて、その企んでいる感まるだしの目も見所です。


 そして、もう一つ重要なのが「声の大きさ」をフォントのサイズで表現しているところです。
 微妙な差なのですが、これにより無音に近いはずの漫画の中でサウンドの高低が生まれ、それが読者の心理にアクションを生んでいるのが面白いですね。

 特に森下さんは「ああ、この人は声が大きいんだろうな」と思わせる表現が多々あります。
 所謂KYな声の大きさですね・・・。
 そういった部分がキャラクター表現に深みを与えているのが本当に凄いです。

 漫画でサウンドを表現するというのは、昔から多くの作家さんが取り組まれてきたことです。
 特に思い浮かぶのは「ジョジョの奇妙な冒険」だと思います。
 書き文字により、重苦しい雰囲気を出したと言われる「ゴゴゴゴゴゴ」は有名ではないでしょうか。

 この漫画では、作家さん側でどれくらい音声、サウンドをイメージしていたかは不明ではありますが、全く逆の方法論で想起させることに成功していますよね。

 台詞に関しては、もう才能としか言いようがないほど上手いと思いました。
 脚本っぽくもあるのですが、アメリカンホームドラマのような言葉の選び方だったりするのかもしれません。

 ここにシュールさがあるかどうかと言われると、私は結論は避けたいところではあるのですが・・・。
 シュールものが流行りすぎて、他と変化がなくなっている漫画が多かったりするので・・・。

 3巻の感想でも書きましたが、これひょっとすると「傑作」になるのでは・・・。なんて思ったりしながら読んでいます。
 とにかく、早く続きが読みたいと思わせるタイトルなのでした。

袴田 めら

それが君になる

それが君になる (IDコミックス 百合姫コミックス)それが君になる (IDコミックス 百合姫コミックス)
(2010/10/18)
袴田 めら

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 「会長と副会長」でも書きましたが、袴田作品に見られる「薄い黒さ」というものが、しっかりと読み取れる内容です。
 絵柄に相反する、キャラクターの持つ「極僅かなギスギス感」が、雨音さん側から感じられ、読者を引き込むでしょう。
 それはいままで紹介させていただいたとおりです。

 それとは別に、もう一つ袴田作品で顕著であるのが、セクシュアリティを連想させる場面があるという部分ではないでしょうか。

 誤解を前提にあえて書くと、セックスや、性的特質を意識させることがあるように感じられるのです。
 (そういった部分から、最も遠い作家だという印象を持つ方が多いとは思います)

 それは、キスシーンや濡れ場の直接的な部分からではなく、ちょっとした表情、ポーズ、極端な話「座っているだけ」等の外堀であるはずの場面から、連想させてしまうような気がするのです。

 ただし、べっちょりとした厭らしさや卑猥さを伴うものではありません。
 甘美な方向のものではなく、どちらかというと「痛い」という意識を抱きます。

 例えば、森永みるくさんの書かれる様な「幸せだとか、嬉しさ、気持ちよさ」を感じることは皆無です。ひたすら「痛い」印象を抱きます。(そもそも作風が全く違うのでフェアな例ではありませんが・・・)

 この「痛い」というのは「精神的に未熟である」という場合に使うものではなく、言葉どおり意味する「肉体的な痛覚」のことです。
 これは、セクシャルなものに絡みつく「女性側が強く感じる汚さ、恐れ」が根底にあるのかもしれないですね。

 こういった「後ろめたさ」のようなものを上手く表現している作品は沢山存在します。
 ただ、ありきたりな方法論ではなく、また大袈裟にそれを主軸に掲げるのでもなく、袴田作品は、それを「僅かに感じられる程度」という微妙なラインで表現している部分がオリジナリティになっているのではないかと・・・。
 特に絵柄が柔らかいムードで統一されているので、そのギャップも上手く作用しているのかもしれません。

 「微妙な後ろめたさ、胸が張り裂けそうな感覚、セックスの肉体的な痛さ」一言で表現するなら、それを「せつない」と呼ぶのかもしれません。
 けれど、個人的には「せつない」よりも単純に「悲しい」とか「ギスギスしている」という表現にしたいかなと・・・。

 それを踏まえると、一見ただのハッピーエンドなのですが、それでけでは終わらない奥深さを説明できるのではないかと考えました。
 殆ど、勝手な思い込みではありますが・・・。ごめんなさい。

 とりあえず、私がファンだからという部分を差し引いても、もっと沢山の人に読んでもらいたいなと思います。

乙ひより

水色シネマ オレンジイエロー

水色シネマ (IDコミックス 百合姫コミックス)水色シネマ (IDコミックス 百合姫コミックス)
(2010/05/18)
乙 ひより

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オレンジイエロー (IDコミックス 百合姫コミックス)オレンジイエロー (IDコミックス 百合姫コミックス)
(2010/05/18)
乙 ひより

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 この「水色シネマ」「オレンジイエロー」は、二冊同時に刊行された作品でした。
 水色シネマは長編で、オレンジイエローは短編集です。
 装丁が凝っていたり、帯についている応募券を小冊子に引き換えできたりと、編集部の期待も大きかった感じですね。
 
 以前「かわいいあなた」「クローバー」の紹介で書いたとおり、爽やかでアッサリとした作風は健在です。
 天然系のキャラクターを書くのが上手く、考え方がまとまっていて、自己解決する能力を持った登場人物が多いからなのでしょう。
 両作品ともに、その天然系のキャラクターが柱になっており、物語の中心ともいえます。

 実は、無欲で、朗らかで、優しいキャラクターというのは非常に危険で、読者の反感を買う可能性もないとはいえません。
 ポリアンナの「よかった探し」を揶揄して、ポリアンナ症候群という言葉が作られましたが、最たるものでしょう。
 徹頭徹尾聖人君子だと「そんなわけないじゃない」という気持ちを抱かせるのは当然ですから。
 そう思わせた時点で、作品としては終わってしまいます。
 共感を得られない作品になれば、読者は続きを読まないでしょう。

 その点、この作者は何故か不思議な説得力を持っている気がしました。
 藤野みゆきさんにしても、多恵ちゃんにしても「計算してないな・・・」と思わせる何かがあるのです。
 きっと絵柄や、手で演技させる独特の表現等、様々な要素が幾重にも折り重なって、それらが作られているのでしょうね。

 特に、顔の表情よりも腕の動きが顕著である場合、特徴を誇張させる効果があるので、それによりキャラクターの持つ天然という部分がクローズアップされている可能性があります。

 なにより、アッサリとした作風からは考えられないほど、作者はキャラクターの持ちうる束縛に敏感なのだと思います。
 このキャラクターは「こういう行動をしない、台詞を言わない」という選別が上手いのでしょう。

 天然系キャラクターに説得力を持たせる、それこそがこの作者の最大の魅力だと思います。

 こういった作風で続けられるかはわかりませんが、今後も楽しみにしていたいですね。

袴田 めら

会長と副会長

会長と副会長 (IDコミックス 百合姫コミックス)会長と副会長 (IDコミックス 百合姫コミックス)
(2010/09/18)
袴田 めら

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 今回も袴田節全開で、期待を裏切ることはありません。

 この物語、袴田作品で見られる自由奔放型の人物(如月や望月系)が会長として設定されています。その人物が副会長を好きになり、お話しが進んでいくのかと思いきや・・・。実は、全編通して副会長側の目線からのストーリーなのでした。
 受け的意識の強い人物が主人公なので、モヤモヤとしたもどかしさが強く、小骨が喉にひっかかるような印象を抱きますが、細かなエピソードの積み重ねで説得力を確保していきます。
 なんというか、小細工無しで心の動きのみを書き上げた感じですね。

 会長と副会長なんて現代萌え的なタイトルですが、70年代少女向け百合作品のように細やかで丁寧な作品とでも言えばいいのでしょうか。
 それでいて、ほんわかとした絵柄の中で見せる、飄々とした一瞬のドス黒さという袴田節が見事に展開されていきます。

 きっと、奇麗事だけではすまさない。すまされない。という強靭な芯を常に持ち続けているのでしょう。
 それが会長側の吐露に形になっているのだと思います。そして、それでも答えずにはいられない副会長。
 その屈折した揺らめきは、袴田作品に常に見え隠れするものだと思います。

 ほのぼのした絵柄で覆い隠された中で見る、消えかけの篝火のような狂気。
 紙一重の「天国か地獄」のような世界を淡々と見せる・・・。

 普通に意識すれば絶対に感じない程度のものですが、その意識しなければ感じ取れないという部分が絶妙なのだと思います。

 私がこの方の作品を追い続ける理由が、全て詰まっている気がしました。
プロフィール

すみれ

Author:すみれ
 百合漫画、百合要素のあるものを紹介するブログ。それ以外のものも若干あります。

 評論、レビューではありません。とりとめのない話です。

 アフィリエイト等のクリック数を稼ごうとするサイトではありません。

 あくまで個人的な感想であり、他に異を唱えるものではありません。

 紹介作品は新旧まざっています。探したい作品があれば「全ての記事を表示する」を使ってください。

 ものによっては大幅なネタバレがあります。

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