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袴田 めら

最後の制服

最後の制服 1 (1)最後の制服 1 (1)
(2005/06/27)
袴田 めら

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 全三巻完結。

 短編形式で進む前半は本当に素晴らしく、三巻に入ったところで急に失速して消え入るように終わっていく。という印象を抱いた方が少なくないかもしれません。

 実際、二巻までは様々なキャラクターの表情や動きが生き生きとしていて、ダイナミックに動き回っているような気がします。

 しかし、三巻の中盤あたりから、共感できそうもないモノローグが続いたりします。
 その時になって気がつくことでしょう。

 「ああ、この子達はなんてバカなんだろう」「なんて性格が悪いのかしら」と。

 大抵の場合、性格の良い悪いの判断というのは、単に自らの中にある価値観に当て嵌めるだけの作業でしかありません。希薄なままでいいというのならば、一緒にいて気分が悪くならなければ、それで十分というレベルでしょう。
 けれども、誰かと一緒にいるということは、それだけではすまなくなってくるのです。

 袴田作品に多く出てくる「性格の悪い」や「思考が浅はかな」な女の子というのは、逆に非常に現実的なんですよね。
 意図的に作り出された、性悪な人間とは違う現実感を持っているのです。
 なぜなら正確には「性格が悪い」というよりも「未熟」なだけだからです。

 「私、この子にしようかな、寄りかかって、好きになってもらって」なんて、とんでもない台詞ですよね。こんなバカな思考を持つ人間なんて、そうそういるものじゃありません。成熟しきっていない子供でもない限り…。
 でも、考えてみてください、思慮に乏しくて当たり前なんです。制服を着た子供達なのですから。

 相手の都合や気持ちも考えずに、こんなこと考えてしまうのは若者の特権ではないでしょうか。
 立ち位置が自分本位で、物差しが狭いのは、単純に経験がないからにすぎません。そんなものは社会に出れば嫌でも経験できることですから。

 けれど、それは後になって言えることなのです。
 彼女達は、その瞬間を必死で思考しているはずなんですよね。だからこそ、自分本位であり相手の迷惑になろうとも、突き進んでしまうのです。
 そういった感情を、私達は忘れてしまっているだけなんですね。

 キャラクターの気持ちを最後まで書ききれなかったのか? と問われると、私はそうではないと言いたいところです。
 
 彼女達は「未熟」ではあっても、絶対に「悪人」ではないのだから。
 彼女達には、まだまだ先があるのだから…。未来があるのだから…と。

 そして「紅子と藍」側からだけではなく、もう一度「紡と楓子」側からも物語を追ってみてください。特に、後半影の薄くなってしまった「楓子」の気持ちは置き去りされがちですが、印象が変わってくるかもしれません。
 袴田作品は、この構図と対比に関して本当に絶品だと思います、

 (袴田ファン必須です。
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