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百合物件

リリイの籠

リリイの籠リリイの籠
(2007/12/14)
豊島 ミホ

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 短編集ですが舞台に関連性があり、トータルでも読める内容です。

 女子高出身者が語る女子高をそのまま描いたような感じですね。世にはびこる男性向け萌え百合をバッサリと切り捨てる切り口とでも言うのでしょうか。作者側は余裕を持って書いている印象なので、そもそもそのような形態は相手にすらしていないでしょうけれど。

 本来異性愛者の女の子達であるけれど、高校生という時期の、友情とは違う対象に持ちうる執着のようなものが、サラリとした文章で書かれていますね。
 読後に感じたのですが、この軽く流れる文体というのが実は非常に重要だったのかもしれません。

 なぜなら、全編を通してネガティブ思考であふれているからです。

 作者の高校時代が暗いものだったのかは知る由もありませんし、読者としては全く興味もありませんが、とにかくネガティブな面が強調されていまます。

 コミュニティーを形成し排他的行動に出る心理。
 活動的、消極的から見るありきたりな優越感、劣等感。
 容姿に対する若さ故の執着心。
 事象の成否に対し二者択一を迫る焦燥感。

 これらは学生時代だけに起こることではないのですが、若さを扱ううえではわかりやすいアイコンになりがちです。だからなのか、それらが殊更強調されて表現されていますね。

 あれだけ強調されても読み続けられたのは、文体が軽く、アッサリしていたからでしょう。
 そうでなければ、ゴールに到達することは出来なかったかもしれません。かなり短いお話であるにも関わらずです。

 今からしてみると、そこまで酷かったかな? なんて考えこんでしまいました。こんなに暗い考えばかりを持って過ごしていたかな? と。
 もう少し明るく朗らかな部分があったような気がしないでもないかなぁと・・・。

 容姿に自信を持つ人間に対する、そうではない人間の奇妙な友情関係。
 他人に必要とされたい実感を得たいが為に、消極的な人間を選んでしまうというエピソード。
 ありがちではあるのですが・・・。

 幸福な話よりも、多少暗い部分を書いたほうが真実っぽさが出るという考えがあるのはわかります。そちらのほうが余程簡単な表現ですから。
 「どうせ、穿っているのでしょう?」という思いを抱えて生活しているのは事実ですしね。

 それだけ説得力を持たせたうえでハッピーエンドにするのは非常に困難なことなのです。読者を誤魔化すことは絶対にできませんから。

 あまり百合という部分を意識する面もありませんし、意図的に表層をギリギリで避けるような見事な筆力なので、商品化された百合を期待するひとにはお勧めはできませんね。
 かといって、文学好きが喜ぶような内容でもありませんし・・・。
 読者層がどのあたりなのか気になるところではあります。
 この作者はかなり若い方なので、マーケティングまでは考えていない可能性のほうが高いですが。

 若さ故の自負心に彩られた文章。といったところでしょうか・・・。お見事です。
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