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百合物件

ささめきこと 6巻

ささめきこと 6 (MFコミックス)ささめきこと 6 (MFコミックス)
(2010/03/23)
いけだ たかし

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 20010年4月現在で6巻まで刊行。続刊

 例えば、大変著名な漫画家である高橋留美子先生の作品は、結果を明確に提示しないことが多いです。
 人気の高い「うる星やつら」は、また楽しい日々が続いていくのだという表現で終わり、超ヒット作品の「らんま1/2」に至っては、延長戦という言葉さえ使用されています。
 この二つの作品に限って言えば、結果を提示する必要がないのはなんとなくわかる気がします。
 なぜなら、誰がどう見ても「主人公とヒロインが好き合っているのは一目瞭然」なのですから。

 大切なのは「結果」であることは当然だとは思うのです。
 けれど「途中経過」の大切さも忘れてはいけないのかもしれないなと思ったりしますね。
 途中経過あってこその結果ですからね。

 これだけ二人の関係を見せてきたのだから、信頼関係があって当然でしょ? という作者の気持ちは非常にわかりやすいですし、特にこの二つの作品は長期の連載を経て、散々二人の関係を見せたうえでラストを向かえているので、あえてゴールを書かなくてもいいのかなと・・・。

 くしくも「『うる星やつら オンリー・ユー」でもパロディ化されていますが、ダスティン・ホフマンの「卒業」は、その後を語られることが多い映画です。一応のハッピーエンドではありますが、終わり方に問題があると感じる人が多いんですね。

 あの後、熱の冷めた二人はすぐに別れた。ヒロインは貧乏生活に耐えられずに別れた。等など。(実はホームスクールという続編があるのですが、後付ものなのであまり参考にはならなかったり・・・)
 そういえば、花嫁を目の前でとられてしまった男性への同情票も多い気がしますね。

 こういった後日談が気になるという状態も、実は一つの結果なのかなと考えられなくはないのかも。
 けれど、読者側の想像に結末をまかせてしまう方法論は非常にリスキーで、非難に晒される可能性が高いものでもありますね。

 非難で真っ先に思い浮かぶのは「ハイスクール!奇面組」です。作者は夢オチを意図せずラストを書いたところ、読者は夢オチと判断し非難が殺到。ということになってしまった作品です。
 実際、最終回は何度か加筆修正されたようですね。しかし複数にわたって加筆修正されたものの決定的な結論を書いてはおらず、やはり読者に想像させる余地を残しているとこを見ると、最早作者自身がオチをつけることを否定しているかのようです。

 こればかりはもう途中経過でどれだけ作品に深みを与えたのか、作者の力量に全てがかかっている気がします。
 例としてあげた「ハイスクール!奇面組」は十二分な説得力がある気がしますが。

 さて「ささめきこと」ですが、一巻まるごと過去編に使うなどの労力があるので、説得力は確保しているような気がします。
 この六巻では、今後に繋がるような伏線も用意されましたが、基本的にはラスト手前という感じではないでしょうか。
 最後の見せ場をどう表現するかは、わかりません。けれどお茶を濁したような形になる可能性もありますね。
 また、ヒットを受けて引き伸ばしになっていることも考えられます。

 ここでスパっと終わるのもよいですし、第三者の下級生や空手の要素を使って引き伸ばすのも、私はどちらでもいいと思いました。
 読者側は、最初の段階でこの二人が好き合ってるのわかってますしね・・・。

 あと、読みきり見て気が付いたのですが、絵柄が凄く変化したのですね。どんどん少年漫画っぽくなっていってます。

百合物件

リリイの籠

リリイの籠リリイの籠
(2007/12/14)
豊島 ミホ

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 短編集ですが舞台に関連性があり、トータルでも読める内容です。

 女子高出身者が語る女子高をそのまま描いたような感じですね。世にはびこる男性向け萌え百合をバッサリと切り捨てる切り口とでも言うのでしょうか。作者側は余裕を持って書いている印象なので、そもそもそのような形態は相手にすらしていないでしょうけれど。

 本来異性愛者の女の子達であるけれど、高校生という時期の、友情とは違う対象に持ちうる執着のようなものが、サラリとした文章で書かれていますね。
 読後に感じたのですが、この軽く流れる文体というのが実は非常に重要だったのかもしれません。

 なぜなら、全編を通してネガティブ思考であふれているからです。

 作者の高校時代が暗いものだったのかは知る由もありませんし、読者としては全く興味もありませんが、とにかくネガティブな面が強調されていまます。

 コミュニティーを形成し排他的行動に出る心理。
 活動的、消極的から見るありきたりな優越感、劣等感。
 容姿に対する若さ故の執着心。
 事象の成否に対し二者択一を迫る焦燥感。

 これらは学生時代だけに起こることではないのですが、若さを扱ううえではわかりやすいアイコンになりがちです。だからなのか、それらが殊更強調されて表現されていますね。

 あれだけ強調されても読み続けられたのは、文体が軽く、アッサリしていたからでしょう。
 そうでなければ、ゴールに到達することは出来なかったかもしれません。かなり短いお話であるにも関わらずです。

 今からしてみると、そこまで酷かったかな? なんて考えこんでしまいました。こんなに暗い考えばかりを持って過ごしていたかな? と。
 もう少し明るく朗らかな部分があったような気がしないでもないかなぁと・・・。

 容姿に自信を持つ人間に対する、そうではない人間の奇妙な友情関係。
 他人に必要とされたい実感を得たいが為に、消極的な人間を選んでしまうというエピソード。
 ありがちではあるのですが・・・。

 幸福な話よりも、多少暗い部分を書いたほうが真実っぽさが出るという考えがあるのはわかります。そちらのほうが余程簡単な表現ですから。
 「どうせ、穿っているのでしょう?」という思いを抱えて生活しているのは事実ですしね。

 それだけ説得力を持たせたうえでハッピーエンドにするのは非常に困難なことなのです。読者を誤魔化すことは絶対にできませんから。

 あまり百合という部分を意識する面もありませんし、意図的に表層をギリギリで避けるような見事な筆力なので、商品化された百合を期待するひとにはお勧めはできませんね。
 かといって、文学好きが喜ぶような内容でもありませんし・・・。
 読者層がどのあたりなのか気になるところではあります。
 この作者はかなり若い方なので、マーケティングまでは考えていない可能性のほうが高いですが。

 若さ故の自負心に彩られた文章。といったところでしょうか・・・。お見事です。

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スケバン刑事if

スケバン刑事if (MFコミックス)スケバン刑事if (MFコミックス)
(2004/06/23)
和田 慎二

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 百合展開・・・。血で血を争った二人の百合展開・・・。
 和田御大の暴走だったのか、それとも・・・。

 この物語は、スケバン刑事を読んだ人にしか理解できないカタルシスに彩られていますね。
 登場人物名は、麻宮サキが天宮佑希、海槌麗巳が氷室麗華に変更されてはいるのですが(この名前のセンスも和田御大らしい・・・)けれど、結局のところはサキと麗巳の物語でしかありません。

 戦いの中で強さを見せるサキと、悪の華ともいうべき麗巳、二人に共通するのは孤高であるということにつきます。正反対の二人ではありますが、各々の道で極限の美しさを放っているのは間違いありません。

 そんな二人が交わることがないのは当然のことでしょう。水と油どころか、液体と個体くらい離れています。それを描いたのが名作と呼ばれた第一部だったのです。


 麗巳は言います「サキ あたしはあんたを待っていたのかもしれない。あたしは今人生に感謝している。一生に一度会うことがあるかどうかという敵にめぐり合わせてくれた人生に…」


 第一部でサキと戦った麗巳を見ている人には、最終決戦で至った気持ちがわかるはずです。
 打ちのめされてしまったが故に、サキの中の美しさを認めそうな自分。しかし、悪は悪として貫き通すという心構え。何よりも自分が「麗巳」という存在であるという強靭な自負心。

 それを知ったうえで、Ifを読むと「殺したいけれど、それでもなおサキという存在が好きになっていた」という気持ちがより大きく感じられるはずです。
 何十年も経って、ようやく麗巳の思いが遂げられたような気がしてしまいます。

 やはり、美しいお姉さまには美しい人が似合うものです。
 それに、案外と相性はいいのかもしれません。二人とも一芸に秀でている人間なので、何かを感じあってもおかしくないと思います。また、何よりもお互いに心を許せる人物がいないという共通点もありますしね。
 実際、二人のやりとりをみていても、尊重しあっていてかなり良いコンビに見えました。

 ※

 なぜ、和田御大は危険を冒してこの作品を書いたのか? まさに読者の気持ちそのものを代弁するように後書きに記しています。

 「もう一度サキと麗巳に会いたかっただけなのかもしれない」

 本当にそんな感じですね。誰よりも作者自身がキャラクターを愛しすぎてしまっているのでしょう。

 私は、それに是非を求めたくはありません。
 キャラクターの生殺与奪の権利は、生み出した者こそが持っているのですから。

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百合心中~猫目堂ココロ譚

百合心中~猫目堂ココロ譚 (IDコミックス 百合姫コミックス)百合心中~猫目堂ココロ譚 (IDコミックス 百合姫コミックス)
(2009/07/18)
東雲 水生

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 ゆっくりと慎重に進んでいった「初恋姉妹」から一転して、とにかく展開にメリハリがあります。
 AメロからBメロを挟んでサビに行くなどという間怠っこい展開はありません。とにかくいきなり大盛り上がりのサビに突入していく感じです。また、物によってはコーラス(サビ)から曲が開始というパターンもあります。
 短編ということもありますが、とにかくクライマックスへの持って行き方が凄まじいの一言です。
 完結するまでに「一度は感情の爆発がある」「一度は不仲になる」「第一印象は最悪」などのギミックがこれでもかと繰り返されるのです。

 百合ジャンルの中には危険なパターンが幾つか存在します。
 その一つに、心情を細かく表現することにに拘りすぎて、外堀を埋めることに必死になりすぎた挙句、クライマックスが全く来ないというものがあります。
 全体像を求めすぎて印象が薄くなってしまうんですね。モノローグを多用してしまう作品に多く見られがちな欠点かもしれません。

 その点、この作品は毎回の見せ場を必ず作っていますので、物語が躍動している印象を強く受けるのかもしれません。
 そう、まるで往年の「大映ドラマ」のような色合いを持っているとでも言えばいいのでしょうか・・・。

 事件を前提として人物が書かれて、その事件に合わせて登場人物を配置しているのかもしれません。
 だとすれば、キャラクター第一で製作が進む昨今の事情とは全く違った感じを受けるのも頷けます。

 百合ジャンルの中で、こうしたアクロバチックな展開を書ける人は、実はなかなか少ないように思います。

 懐の深い作家さんなのでしょう。
 更にいろいろなパターンで物語を製作してくれそうです。
 後書きに、いろいろ挑戦したいと書かれていましたので、これからも楽しみですね。

百合物件

ことのはの巫女とことだまの魔女と

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(2006/07/14)
藤枝 雅

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 同人を長年やっていたという筋金入りの絵描きさんのようです。かなり昔のファンロード等で最も見られた画風ですね。線がとても細く、綺麗です。こういった絵は、これに特化して描いていないと絶対にだせない繊細さを持っていると思います。コマも少女漫画で見られたような使い方をされるので、そういったジャンルが好きな方はすんなりと入っていけるでしょう。

 ストーリーは、とにかく「王道」のど真ん中です。これ以上ないくらい王道です。そして「古典」でもあります。
 幸せになる為の一本道をひたすら全速力で駆け抜けていく感じです。
 キャラクター。台詞。それらにも全く捻りはありません。

 実は、こういった王道ストーリーというのは、脚本の世界では非常に重要視され尊重されています。
 ハリウッドの脚本マニュアルでは王道の大切さがいかに重要か、かなりのスペースを割いて示されているほどです。

 王道、ワンパターンを使用する理由は沢山あります。
 ハリウッドでは映画が「産業」として肥大化しすぎてしまったので、資金回収の為に安全パイを使わなければいけないという切実な事情も確かに存在はするのですが・・・。
 しかし、理由はそれだけではありません。

 王道は、人の心に届くからです。

 それを受け取って感動すれば幼稚であるとか、ダークで悲惨な映画のほうが真に迫っている、等の議論はここでは必要ありません。王道だけを求める姿が、ハリウッドの映画だとすれば、それを唾棄し忌み嫌う人がいるのも当然です。
 力を持った組合の中での正義は、芸術ではなく収入という成績でしかないのですから。

 しかし、ここで問題になってくるのは「使い方」であると思っています。
 ご存知の方も多いかと思われますが「涼宮ハルヒの憂鬱」原作第一巻は、テクスチャーと語り口に時代性を持たせてはいますが、これ以上ないくらい王道の大団円を向かえます。

 結局は、既に幾多の物語で使用されている王道の筋書きに、とりまく環境がどれだけスパイスを与えられるか? にかかっているということなのです。

 「ことのはの巫女とことだまの魔女と」という物語には、王道の持つ美しさと、ちょっとだけの調味料が効いています。そして、旧体系の画風からは、どことなく余裕すら感じますね。
プロフィール

すみれ

Author:すみれ
 百合漫画、百合要素のあるものを紹介するブログ。それ以外のものも若干あります。

 評論、レビューではありません。とりとめのない話です。

 アフィリエイト等のクリック数を稼ごうとするサイトではありません。

 あくまで個人的な感想であり、他に異を唱えるものではありません。

 紹介作品は新旧まざっています。探したい作品があれば「全ての記事を表示する」を使ってください。

 ものによっては大幅なネタバレがあります。

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