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志村貴子

ぼくは、おんなのこ

ぼくは、おんなのこ (Beam comix)ぼくは、おんなのこ (Beam comix)
(2003/12/25)
志村 貴子

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 ※この作品は純粋な「百合」作品ではありません。志村貴子ということで取り上げました。短編集であり、百合と呼べるのは書き下ろしの「sweet16」のみです。

 百合作品である「sweet16」の主人公は髪こそ短いものの、苗字は「万城目」で、さらに眼鏡をかけています。友人も、白抜きの髪でおさげを二つ結っているキャラクターなので「あーちゃん」に見えないこともありません。
 断定はできませんが「青い花」連載開始が同じ時期なので、何らかの下地となった作品かもしれないですね。
 そういった点で見ると、非常に興味深い作品となるのかも。

 他の作品の内容も充実しています。青い花でファンになった方々には、こちらサイドの志村貴子に是非触れてほしいと思います。

 個人的に一番嬉しかったのは、ニューハーフのユキさんのエピソードです。
 ちなみにユキさんにはモデルとなった人物がいるということ。ファンとしては「会いたい・・・」と強く思ってしまう事実かもしれませんね。

 作者が表現者として、ユニセックスな作品を書き続けている理由というのは、お知り合いに「そういった方々」が沢山いらっしゃるからなのかもしれません。

 
 ネタがないということで、蔵出しで志村作品を紹介させていただきました。
 短いですが、このへんで。

志村貴子

放浪息子

放浪息子 9 (BEAM COMIX)放浪息子 9 (BEAM COMIX)
(2009/07/25)
志村 貴子

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 2009年10月現在で9巻まで刊行。続刊。

 ※この作品は「百合」とは何の関係もありません。志村貴子ということで取り上げました。
 未完でありながらも、おそらく志村貴子の最高傑作になると言われている作品ということで、少しこの物語にも触れてみたいと思います。

 魅力ある登場人物を多数動かすという難題。

 個性のあるキャラクターを多数配置して、それらを埋もれさせることなく演技させていくというのは、物語を作るうえでは当たり前の作業ですが製作側からすると、とても難しいことです。
 なぜなら、多数の人物に交流を与えるとなると、必然的に演技の幅やテキストにかける仕事量が鼠算式に増えていくからです。
 しかし、個人個人での反応を変えパターンを変化させなければ説得力を持たせられないのは事実でしょう。
 一人の人間が一つの表情で全てのキャラクターと会話できるはずがありませんから。

 この物語では、それらが実にいきいきと描写されています。相手に対する好意、嫌悪、戸惑いが表情だけで伝わってきます。
 この作者は細やかな心理描写を得意とする等と言われていますが、その風評は真実と言わなければならないでしょう。
 
 更にその登場人物が変化、成長していくという難問。

 この「成長」というのは、バトル物等の主人公が修行によってどんどん強くなっていくという成長と少し意味が違うかもしれません。
 得てして、そういった人物は精神的には変化を求められないものです。
 例えば、ドラゴンボールの主人公が修行によって強大な力を手に入れますが、彼は子供の頃と変化なく純水無垢なまま強い対戦相手を求めて修行を続けます。力に溺れて悪に染まり、世界を征服するということはありません。
 読者側からすれば、それが当然の世界であり、逆に変わってもらっても困るのは自明の理です。
 このドラゴンボールの主人公は一つの例の一側面でしかなく、良い悪いで出したものではありません。

 所謂一般的に萌え要素といったギミックを盛り込んだだけで出来上がったキャラクターは記号としての存在が大きく、物語の進行如何に関わらず成長、変化することが無い場合が殆どです。
 これは当然のことですが、パラメーターとして役割や能力値や容姿を与えられているだけなので変化していくことを前提に作られていないからです。
 ただ、それは当然のことなのです。キャラクターの意思がぼやけてはいけないストーリーでは変化しないことこそが必要なのですから。

 一方、放浪息子の登場人物達は、初めから成長していくことを前提に作られているようです。(主人公の二鳥くんはトランスジェンダー的な人物として書かれていますが、物語の中では一切の言明はなく、作者も意図的に省いて表現を続けています)
 当初、彼は小学生ということもあり自分のセクシャリティ自体を意識していませんし、そのような思考すら持っていません。
 しかし、やがて中学生になり周囲の状況や身体が変化し始め、意識せざるをえなくなってきます。マイノリティに対する周囲の必然的な拒絶にも接しなければいけないわけです。
 そこで彼は自分の道を選択していかなくてはならないでしょう。

 変化していく登場人物の扱いが難しいのは、間違った方向に舵取りをしてしまうと、途端に読者が興味を失ってしまうからに他なりません。
 架空の人間ではあるが、一定のリアリティも持たせ人間としての成長を描いていく…。
 普通はあまり突っ込んでやりたい手法ではないかもしれませんね。作り上げられたキャラクターを動かすほうが楽ですので。

 そういった難題をウルトラC連発でクリアしていく作者の力量には、最早脱帽するしかありませんね。ここで褒めちぎっても仕方が無いことではあるのですが・・・。

 この物語を読んでいて改めて感じたのは、セクシャルに関しては恐らく社会的な変化は訪れないであろうという現実です。

 メディア媒体で、ゲイ、ニューハーフが一般的な市民権を得て活躍し、トランスジェンダーという存在が真剣に討論され、BLやGLという物語が当たり前のように身近に存在する現在においても、偏見はなくなっていません。それどころか偏見は深くなっています。

 TV等でニューハーフが当たり前の時代に何をバカな・・・。既に性差別は無く、受け入れられていると仰ることでしょう。
 しかし、所詮「当事者」ではありませんからね。友人、そして家族からそのような人間が生まれてしまったとき。理解できる人間は非常に少ないというのが現実です。

 9巻あたりでそういった描写が強くなってきていますが、今後の落としどころが非常に気になりますね。

志村貴子

青い花

 
青い花 1巻 (F×COMICS)青い花 1巻 (F×COMICS)
(2005/12/15)
志村 貴子

商品詳細を見る


 2009年7月現在で4巻まで刊行。続刊。

 とうとう、この作品について書くことになってしまいました。テレビアニメも放送されていますし。タイムリーなのかもしれません。

 この方は、ミュージシャンズミュージシャンというか、音楽家が好きな音楽みたいに、同業者が好きになるタイプの作品を書きますよね。
 私は、元々好きな作家さんではあったのですが…。 
 「どうにかなる日々」で見せた女×女サイドの作品が素晴らしかったので、百合専門で書いてくれると嬉しいなと思っていたのですが、それがまさかの現実となるとは…。そして、期待していた通りの内容…。
 はっきり言って、現状の百合ジャンルの中では断トツです。あらゆる面で最高だと思います。

 「万城目ふみ」というキャラクターに関して、過剰に反応される方が多々いるようですが、百合というジャンルで考えると別段珍しいキャラクターではありません。
 彼女が、欲望に忠実なだけなのか、流されるだけの脆い人間なのか、それは読めば理解できることです。
 現在、四話目まで放送されているアニメでは、やたらとか弱い部分ばかり抽出されていますが、本来の彼女は自分の弱点を知り、尚且つ改善させたいという意思を持っています。
 アニメは心の中の冗舌な毒舌がカットされたりしていますし、漫画ならではの顔の表情もありませんから、弱い部分だけを感じてしまっても仕方がありませんけどね。

 ただ、作者さんが語っているとおり「ふみちゃん」は、ずっと「あーちゃん」が好きなんです。
 印象としては気の多い子に見られがちですけれど。意外と一途なんですね。
 いろいろ誤解を受けやすい部分も含めて、キャラクターとして捉えると、こんなに可愛い子もいないと思うのですが…。

 「青い花」は心理描写というか、キャラクターの動きが自然すぎる為に、リアル路線のような印象を抱く方が多いようです。
 けれど、この話しは、やはりどこまでいってもファンタジーなんですよね。例えば、学校の設定一つとってもそうだと思います。これは作者が「自分の行っていた女子高とは正反対のものを目指した」という言葉からもわかります。
 そういった部分を差し引いていないと「万城目ふみ」というキャラクターに、やたら過敏になってしまうのではないかなと思ったりしました。

 ちなみに、最初の設定では「ふみちゃん」と「あーちゃん」がまるっきり入れ替わっていたそうです。
 一巻の一番最初の扉絵のところで、二人が見開きで両側に並んでいる絵がありますが、あの絵って表情が逆っぽいんですよね。
 「あーちゃん」が困ったような、自信ない感じに対して「ふみちゃん」はキリリとして前を見据えている印象です。
 実は、あれって意外とお互いの心境が細かく表現されていたのかなと。
 最初見たときは、そんなこと全く思わなかったですが…。

 百合ジャンル好きの方は必須ということでお願いいたします。
プロフィール

すみれ

Author:すみれ
 百合漫画、百合要素のあるものを紹介するブログ。それ以外のものも若干あります。

 評論、レビューではありません。とりとめのない話です。

 アフィリエイト等のクリック数を稼ごうとするサイトではありません。

 あくまで個人的な感想であり、他に異を唱えるものではありません。

 紹介作品は新旧まざっています。探したい作品があれば「全ての記事を表示する」を使ってください。

 ものによっては大幅なネタバレがあります。

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